「日傘の女」
「日傘の女」
夏服をまとい、速すぎないスピードで歩く
女性の顔が日傘によって見え隠れしていると
私は「ゆかしい」という言葉を思い出します。
「ゆかしい」とは、見たい、知りたい、恋し
い‥‥という心境
。
つまりはその対象に対して心惹かれ、もっと
近づいていきたくなる感じです。スポットラ
イトのような夏の日差しをさえぎる日傘によ
って隠されている顔は、実にゆかしいものな
のでした。
何かで隠されている女性の姿が、いかに人
の興味を刺激するかについては、今を生きる
私達よりも、昔の人の方がよく知っていたよ
うに思います。
たとえば平安時代の女性の姿は、御簾や几帳
といったファブリック、長い髪や扇などで、
異性の視線から慎重に隠されていました。が、
同時にそのシステムは、異性の心を刺激する
ものでもあったのです。
「源氏物語」には、光源氏の妻である女三宮
が、庭で行われていた蹴鞠を見物していた時の
ことが記されます。とはいえ女性が男性に自ら
の姿を見せることはご法度ですから、女三宮は
邸の中の御簾の陰から、外を眺めていました。
するとその時、歩いてきた猫に結ばれていた
紐がひっかかって御簾がめくれ上がるという、
思わぬ事態が発生。 庭にいた柏木という青年が、
女三宮の姿を見てしまいます。それは一瞬の出
来事であったものの、柏木は一瞬で、恋におち
ました。
光源氏の妻と知りつつも女三宮を忘れることが
できず、想いを遂げようとした柏木の運命は、
やがて思わぬ方向へ隠されているから、見たくな
る。
隠されているから、ちらりと見えた時に、胸が
高鳴る。日傘は紫外線を避けるための存在ではあ
るものの、持つ人を隠すものでもあります。
何事もオープンで「私を見て!」という人だら
けの世だからこそ、日傘をさす人へのゆかしさは
募るのだ。。
夏服をまとい、速すぎないスピードで歩く
女性の顔が日傘によって見え隠れしていると
私は「ゆかしい」という言葉を思い出します。
「ゆかしい」とは、見たい、知りたい、恋し
い‥‥という心境
。
つまりはその対象に対して心惹かれ、もっと
近づいていきたくなる感じです。スポットラ
イトのような夏の日差しをさえぎる日傘によ
って隠されている顔は、実にゆかしいものな
のでした。
何かで隠されている女性の姿が、いかに人
の興味を刺激するかについては、今を生きる
私達よりも、昔の人の方がよく知っていたよ
うに思います。
たとえば平安時代の女性の姿は、御簾や几帳
といったファブリック、長い髪や扇などで、
異性の視線から慎重に隠されていました。が、
同時にそのシステムは、異性の心を刺激する
ものでもあったのです。
「源氏物語」には、光源氏の妻である女三宮
が、庭で行われていた蹴鞠を見物していた時の
ことが記されます。とはいえ女性が男性に自ら
の姿を見せることはご法度ですから、女三宮は
邸の中の御簾の陰から、外を眺めていました。
するとその時、歩いてきた猫に結ばれていた
紐がひっかかって御簾がめくれ上がるという、
思わぬ事態が発生。 庭にいた柏木という青年が、
女三宮の姿を見てしまいます。それは一瞬の出
来事であったものの、柏木は一瞬で、恋におち
ました。
光源氏の妻と知りつつも女三宮を忘れることが
できず、想いを遂げようとした柏木の運命は、
やがて思わぬ方向へ隠されているから、見たくな
る。
隠されているから、ちらりと見えた時に、胸が
高鳴る。日傘は紫外線を避けるための存在ではあ
るものの、持つ人を隠すものでもあります。
何事もオープンで「私を見て!」という人だら
けの世だからこそ、日傘をさす人へのゆかしさは
募るのだ。。
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